Blog Back Number 【2019.05】 ブログ バックナンバー

President's Diary 社長日記

No.378 ささやかな幸福・・・。

 

 

私の地元「浅草」では、一年で一番街全体が活気に満ち盛り上がる「三社祭」も無事終了しました。

 

我が家でもすでに数年前からあえて新規にお声をかけることもなく、“来る者は拒まず”の精神で「三社祭」を迎えております。

 

それでもありがたいことに今年も約40人近くの来客がありました。

 

来年は、わが町会は「一之宮」の宮神輿です、楽しみです。

 

 

ところであるエッセイで、哲学者の「三木清」の思想からだと思われる“ささやかな幸福があれば良い”という言葉が目につきました。

 

大きな幸福でなく“小さいながらも確実な幸福を感じて生きていたい”という考え方だそうで“大きな幸福”=成功は量的なもの、それに比べ“小さな幸福”は質的でそれぞれの人が感じる自分だけの固有な幸福だという事のようです。

 

やはり何か哲学的ですね。

 

私も齢を重ねて来て最近ふと振り返ると、今がとても幸せだなと思う時があります。

 

起業してから34年、多くの方々に支えられ何とか今日まで自分の考え方(オリジナルにこだわり人の役に立つモノづくり)をつらぬいて来られた上に後継者も出来、世の中のお役にたてる事も一つぐらいは置いて来られたとの自負もあります。

 

おかげさまで健康にも恵まれ家庭も円満に過ごせ家族仲も良く、趣味の世界でいろんな方々にも会えて楽しい時間も過ごせ、カミさんのお供で国内海外を問わず旅にも行け、カミさんとの共通の趣味でもある美術館巡りやトレッキングも出来て私なりに大いに幸せを感じて暮らしております。

 

これも人との“縁”を大事にして“感謝の心”を忘れず“私らしく”日々を重ねてきた【ご褒美】だと思っております。

 

私は、齢を重ねて来て漫画家の弘兼憲史さんのメッセージにもあるように“人生はあっという間です、いい加減人との競争はもう卒業して楽しみましょうよ”との境地にやっと達しました。

 

特に私と同年配のシニアの方には、弘兼さんの言うように“人はそれぞれです他人と競わず、比較せず又羨ましがらず、自分の身の丈に合った人生”を送ってみたらいかがでしょうか。

 

そうすれば気持ちがぐっと楽になり、きっと楽しいシニアライフが送れますよ。

 

 

No.377 ル・コルビュジエ展で残念な事。

 

 

元号が変わり節目となる五月です。

 

すっかり季節も心地良く感じるようになりました。

 

花粉の季節も無事過ぎて体調も程よく快適に過ごさせてもらっております。

 

 

2016年にユネスコ世界文化遺産に登録され、今年開館60周年を迎えた「国立西洋美術館」で二月より開催され今月19日まで開催されている「ル・コルビュジエ 絵画から建築へーピュリスムの時代 」展にようやく行くことが出来ました。

 

「国立西洋美術館」で開館60周年を記念して開催されているこの展示会は、20世紀建築の巨匠“ル・コルビュジェ”を中心にスポットを当て彼の原点を観ることが出来る内容です。

 

巨匠がスイスで生まれ芸術の中心地パリで「ピュリスム(純粋主義)」という芸術運動を推進した時代に焦点を当て、絵画、建築、都市計画、出版、インテリア・デザインなど多方面にわたった約10年間の活動を知る内容の展示会でした。

 

特に以前フランスに行った際にどうしてもこの目で確認したかった為、わざわざ遠方まで汽車に乗り訪ねた、巨匠ル・コルビュジエが1928~1931年に設計した、「サヴォワ邸」の建築図面とその記録映像は大変興味深く鑑賞いたしました。

 

また当時の記憶が甦り後日「サヴォワ邸」で撮った写真を見直して懐かしく思いました。

 

ただ展示会で残念なことも有りました。

 

コルビュジエとインテリアにおいてパートナーでもあった、“シャルロット・ぺリアン”が余り紹介されていない事でした。

 

彼女は、おそらく世界最初のインテリア・デザイナーでありモダニズムのパイオニアだと思います。

 

有名な家具のシエーズロング、バスキュラントやソファなどは、彼女が協力して製作されましたが、あまり彼女の名前は多くの方には知られていません。

 

自らの名前を出すことに無頓着だったようです。

 

昭和15年に当時の商工省の招きで来日し一年余りの滞在中にモダンデザインを各地で教え、ミニマルな昔の日本の「暮らし」を絶賛し日本のモダニストにも多くの影響を与えたマダム・ペリアン。

 

知る人ぞ知るその存在を展示会ではあまり語られていませんでした。

 

96歳で亡くなるまでパリで現役で活躍していたそうです。流石!

 

ペリアンが寝椅子のシエーズロングに横たえる姿の写真が目に焼き付いています。

 

ちなみに我が家にも同寝椅子がありますが・・・。