Blog Back Number 【2019.09】 ブログ バックナンバー

President's Diary 社長日記

No.385 上野の美術展二題。

 

朝の通勤散歩時に見上げる空も秋の季節の“うろこ雲”が見えてきました。

今年の夏の猛暑と台風による天気を考えると早く大好きな秋になるのがいいな~と思う日々です。

 

 

6月から上野で開催されていた、二つの美術展にようやく行くことが出来ました。

 

一つ目は先月末から今月上旬にかけて旅した「奈良」の「長谷寺」「室生寺」を含む四寺の仏像を展示していた東京国立博物館の「奈良大和四寺のみほとけ展」です。

 

「長谷寺」の鎌倉時代に高度な技術で造られた「十一面観音菩薩立像」は、当然訪問時には拝見できずにいたのですがやはり「長谷寺」で拝ませていただきたかったです。

 

また「室生寺」の平安時代初期の重厚な特徴を備える「釈迦如来坐像」は、国宝であり一木彫像の傑作です。

こちらも出来れば「室生寺」で拝見したかったですが、あの階段を思うと少し二の足を・・・。

他の二寺の「岡寺」と「安倍文殊院」は先月の旅では訪問しなかったので次回もし奈良に行くことがあれば訪ねたいと思いました。

 

 

もう一つの展示会は、【国立西洋美術館開館60周年記念】として開催された「松方コレクション展」です。

 

国立西洋美術館の礎となった松方コレクション(松方幸次郎が1910~20年代にパリやロンドンなどで蒐集した約3000点の西洋美術コレクション)の名作とともに、その波乱と激動に満ちた歴史を明らかにした展示の内容になっており、特に奇数な運命をたどり現在パリのオルセー美術館に展示されている“ゴッホ”の「アルルの寝室」や松方が、日本で最高の絵を見せてやりたいと言って“モネ”を口説き直接買い付けた「睡蓮」などは多くの人だかりがありました。

 

また美術館の設計が“ル・コルビジェ”に決まったのもフランス政府が作品の返還の条件だったことなども知りました。

又“モネ”の幻の大作「睡蓮、柳の反映」は、長きにわたる修復後に初公開されていて、その修復過程も同時に展示され興味を引きました。

 

 

美術作品の修復は、大変根気がいる仕事です。

以前にダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の修復作業の様子をTVのドキメンタリー番組で観ました。

番組では、一人で20年以上の歳月をかけて修復作業をした女性修復家を紹介していました、かなり前に私が訪問した際もまだ修復中で大変な作業だな~と思った記憶があります。

 

秋の夜長又いろいろ興味を引く美術展が開かれそうで楽しみです。

 

 

No.384 久しぶりの奈良お寺巡り。

 

九月に入り猛暑は、ひと段落しそうな天候ですが台風の接近でまだまだ天候不順な日々が続いていますが皆様は如何にお過ごしですか。

そんな折、東京を離れて久しぶりに「奈良」に行ってきました。

 

 

京都が海外からの観光客であふれているようなので京都は避けて一路「奈良」へ。

奈良へは何度もお寺巡りをしていますが今回はまだ訪問したことがない「室生寺」と「長谷寺」が目的の寺巡りです。

 

 

初日に目的の両寺へですが、結論として両寺とも石段の多さに圧倒され、翌日は筋肉痛と相成りました。

女人高野「室生寺」は、山門から「金堂」「本堂」そして「五重塔」まですべて国宝で、「金堂」の内陣には「釈迦如来立像」を中心に国宝・重文の仏像が並び圧倒されました。

 

 

「五重塔」は、屋外に建つ五重塔としては最小のものであり平成10年の台風で大きな損傷を受けましたが、平成12年に修復、落慶したそうです。

問題は、その奥にある原生林に囲まれた胸突きの石段を上った「奥の院」までの急な階段です。

しかし今回の奈良お寺巡りでは一番印象に残ったのがこの石段でした。

 

 

「長谷寺」は、総門である「仁王門」を通り「本堂」までの399段ある上中下の三廊の「登廊」の石段が有名です。

大変SNS映えする登廊で誰もいないタイミングで記念写真を撮るのが難しい場所でしたが、それほどの混雑もなくOKでした。

 

 

室生寺と長谷寺の観音菩薩立像は、現在東京の国立博物館で開催されている「奈良大和四寺のみほとけ」展でお会いすることになりました。

 

 

今回は、斑鳩の里の三塔も訪問してきました。

 

 

「法隆寺」の五重塔は幾度も見ていたのですが、残りの二塔は訪ねたことがないのでこの際ぜひと思い急遽計画に入れました。

 

 

中宮寺では世界の三大微笑像と呼ばれている国宝の「如意輪観世音菩薩」に心洗われた後、少し離れた場所にある「法輪寺」と「法起寺」の二塔を訪ねました。

 

 

三井寺とも呼ばれている「法輪寺」にある三重塔は、国宝でしたが落雷により焼失し国宝解除となり再建を目指しようやく昭和50年に再建されたそうです。

 

 

又それから熱波の道を歩くこと数十分ようやく「法起寺」にたどり着きました。

 

 

国宝の三重塔は現存する我が国最古の三重塔だそうですが、来訪者もまばらで大変さびしいお寺でした。

寺の裏手にある建物の補修はされずに今にも朽ち果てそうでわびしさが残るお寺でした。

 

 

 

最後に「興福寺」にも寄ったのですが、人の多さがかえって「法輪寺」と「法起寺」の寂しさを思い起こされて色々考えさせられる奈良寺巡りでした。

 

 

奈良での定宿の「奈良ホテル」は、木造本館が耐震補強工事の為今回は新館泊まりで設備は本館よりは近代的で快適に過ごせました。

フロントロビーにある「上村松園」の「花嫁」にも再開できました。