Blog Back Number 【2018.04】 ブログ バックナンバー

President's Diary 社長日記

No.353 東西美人画の名作展について。

 

今月は、前回のブログでも書いたのですが花粉?が引き金になったらしいアレルギーの為か思考能力が今まで以上に無く難しい話題は苦手な日々を過ごしております。

こんな時は、夕方からは比較的ゆっくり見学できる美術館で絵画の鑑賞などをしてリラックスするのが一番です。

自宅から徒歩圏内にある上野公園周辺の美術館の内「東京藝術大学美術館」で現在開催されている“東西美人画の名作展”を鑑賞しに行ってきました。

 

「上村松園の《序の舞》への系譜」と副題にある通り見どころは、昭和11年作、平成12年に国の重要文化財に指定されている近代美人画の最高傑作とも言うべきこの作品が今展示会のハイライトです。

「序の舞」とは能楽の中でも上品な気分を漂わす格の高い舞のひとつだそうで、松園自身も「この絵は、私の理想の女性の最高のものと言っていい、自分でも気に入っている女性の姿であります。」と語るほど、作者にとって渾身の作品です。

制作から80年近くが経過し、全体的に本紙と絵具との接着力が低下し、絵具層の粉状化が進行し作品の保存状態に問題が生じた為に近年は展示を控えざるを得ない状況が続いていたそうです。

 

私も東京藝術大学に収蔵されていることは、以前より知っておりましたが展示をされずにいたので一度現物を鑑賞できる機会待っておりました。

これ以上の劣化を防ぐための本格修理を外資系金融機関の文化財保護プロジェクトの協力を得、3年の修復を終えて装いも新たに公開されました。

修理後、作品保護の見地からこれまでの掛軸装から額装へ表装変更を行ったことも本展で初めて知りました。

本展は、江戸時代から昭和初期までの美人画の歴史をじっくりとたどり、東の清方、西の松園の作品を中心に東西の美人画の名作が一堂に会しております。

個人的に画風が好きな「鏑木清方」の作品も数点観られ閉館ぎりぎりまでゆっくり鑑賞出来ました。

 

美人画に関心がある方は、連休中に是非! 5月6日までですよ。

 

 

No.352 旅するフランス風景画展。

 

スギ花粉の季節は過ぎたはずですが、スギ花粉症の私は先月の旅行中全く異常がなかったのに帰国後かえってひどくなりました。

とうとう嫌いな病院で精密検査を受けたところ、異常にアレルギー値が高いとの検査結果が出て現在治療薬のお世話になっています。

 

そんな体調状態ですが、先月の旅行中にタイミングが合わず訪問できなかったモスクワの「プーシキン美術館」のフランス絵画コレクションがなんと東京都美術館に65点もの作品が来日しています。

モスクワで観れなかった作品がここ東京で観れるなんて・・・。

 

なかでも今回の目玉は、やはり初来日となるクロード・モネの「草上の昼食」でしょうか。

印象派の誕生前、26歳の若きモネの魅力あふれる作品で同時代の人物たちと自然の風景が見事に調和したモネ初期の代表作です。

まさにフォンテーヌブローの森でのピクニックの情景が憧れのマネの同名の絵画に触発され若きモネらしいみずみずしい色彩で表現されています。

 

一方、もう一つの目玉であるアンリ・ルソーの「馬を襲うジャガー」は、パリに居ながら豊かな想像力で熱帯のジャングルでの情景をルソーらしく描いた作品です。

この両作品の前は案の定多くの人たちで溢れていて残念ながら作品をまじかでじっくり鑑賞出来ませんでした。

やはりモスクワでゆっくり鑑賞したかったな~と心底思わずにはいられませんでした。

しかし考えようによっては、現在プーシキン美術館には65点もの作品が日本に貸し出されているわけでモスクワには無いと言うことです。良かったような・・・複雑です。

 

生意気なようですがやはりお気に入りの作品は、収蔵されている現地の美術館で思う存分マイペースで鑑賞するのがやはり一番ですね。

しかしモスクワは寒かったので次回は温かいところが良いかな~。