No.385 上野の美術展二題。

 

朝の通勤散歩時に見上げる空も秋の季節の“うろこ雲”が見えてきました。

今年の夏の猛暑と台風による天気を考えると早く大好きな秋になるのがいいな~と思う日々です。

 

 

6月から上野で開催されていた、二つの美術展にようやく行くことが出来ました。

 

一つ目は先月末から今月上旬にかけて旅した「奈良」の「長谷寺」「室生寺」を含む四寺の仏像を展示していた東京国立博物館の「奈良大和四寺のみほとけ展」です。

 

「長谷寺」の鎌倉時代に高度な技術で造られた「十一面観音菩薩立像」は、当然訪問時には拝見できずにいたのですがやはり「長谷寺」で拝ませていただきたかったです。

 

また「室生寺」の平安時代初期の重厚な特徴を備える「釈迦如来坐像」は、国宝であり一木彫像の傑作です。

こちらも出来れば「室生寺」で拝見したかったですが、あの階段を思うと少し二の足を・・・。

他の二寺の「岡寺」と「安倍文殊院」は先月の旅では訪問しなかったので次回もし奈良に行くことがあれば訪ねたいと思いました。

 

 

もう一つの展示会は、【国立西洋美術館開館60周年記念】として開催された「松方コレクション展」です。

 

国立西洋美術館の礎となった松方コレクション(松方幸次郎が1910~20年代にパリやロンドンなどで蒐集した約3000点の西洋美術コレクション)の名作とともに、その波乱と激動に満ちた歴史を明らかにした展示の内容になっており、特に奇数な運命をたどり現在パリのオルセー美術館に展示されている“ゴッホ”の「アルルの寝室」や松方が、日本で最高の絵を見せてやりたいと言って“モネ”を口説き直接買い付けた「睡蓮」などは多くの人だかりがありました。

 

また美術館の設計が“ル・コルビジェ”に決まったのもフランス政府が作品の返還の条件だったことなども知りました。

又“モネ”の幻の大作「睡蓮、柳の反映」は、長きにわたる修復後に初公開されていて、その修復過程も同時に展示され興味を引きました。

 

 

美術作品の修復は、大変根気がいる仕事です。

以前にダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の修復作業の様子をTVのドキメンタリー番組で観ました。

番組では、一人で20年以上の歳月をかけて修復作業をした女性修復家を紹介していました、かなり前に私が訪問した際もまだ修復中で大変な作業だな~と思った記憶があります。

 

秋の夜長又いろいろ興味を引く美術展が開かれそうで楽しみです。