No.318 20世紀の巨匠たち。

今年は、例年になく台風が多いようで台風の通過コースにあたる地域に甚大な被害を与えている様子がTVを通して伝えられております。

私も他人事で済ませず何かのお役に立てることを考えたいと思います。

 

先日、東京都美術館で開催中の「ポンピドゥー・センター傑作展」に行って来ました。丁度朝日新聞の天声人語に、この展示会での一作品の記事が目につきぜひこの目で見たいと思ったからです。

作品名は「楽園の樹」で作者は、セラフィーヌ・ルイという画家です。

記事には、紅色の幹を表情豊かな葉が取り囲む。葉が笑い、葉が怒る。瞳をかっと見開いてこちらを凝視する葉もある。見てはならない樹木の精が立ち現れ、ザワザワとうごめく枝にからめとられそうになる。とありました。興味を惹かれる文章ですよね。

 

私は過去に3度ほど「ポンピドゥー・センター」に行ったことがあるのですが、まったくこの絵の記憶がありませんでした。

作品の前には、多くの観覧者で混雑し、じっくり見えないほどでした。

記事でのイメージがあったので興味深く鑑賞できました。

 

彼女は、幼くして両親を亡くし修道院の下働きをして過ごし家政婦だった41歳のある日「絵筆をとりなさい」という天啓を聞き、一心に草や花、果実、枝、幹ばかりを描き絵が売れると際限のない浪費に走り困窮し心を病み療養所で81歳で亡くなり、死後3年後に夢に見た個展が開かれたそうです。

彼女は、「私は絵のことをあまりよく知らない年老いた初心者です」との言葉を残し・・・。

記事のおかげで興味ある作品と画家に巡りあえました。感謝です。

 

会場には、ピカソやシャガール、マティスなどの巨匠の傑作からあまり知られていない画家の隠れた名品まで1906~1977まで一年ごとに一作家の一作品を紹介しています。

フランスの20世紀美術を一望できる絶好の機会です。

興味ある方は、22日まで開催されています。お見逃しなく。

 

それにしても私、初めて65歳以上の割引1,000円を経験いたしました。 嬉し~?